★AIで会社の仕事は効率的になる?研究の数字で見る効果と、自社での測り方
ChatGPTなどのAIを使い始めて
仕事は本当に楽になったのか。

「便利そうだけど、
うちでは効果がよく分からない」
そう感じている経営者の方は
少なくないかもしれません。
この記事では、
公開されている調査・研究・事例の
数字を確かめながら
「効率的になる場面」と
「ならない場面」を整理します。
最後に,自社で1週間だけできる
効果の測り方もまとめます。
有料のツールがなくても、始められます。
この記事の内容
- 日本の企業は、どのくらいAIを使っているか
- 研究でわかった「効く仕事」と「効きにくい仕事」
- 公開されている導入事例(大企業と従業員80人の会社)
- 効く場面・効きにくい場面の整理
- 自社で確かめる3ステップ
- よくある勘違い3つ
効率的になるかは「仕事の種類」と「測り方」で変わる
先に結論です。
「必ず効率的になる」とも「効果はない」とも
言い切れません。
研究の数字は
仕事の種類や、使う人の経験によって
かなり違っていました。
しかも、本人は速くなったと感じていても、
実測では逆だった研究もあります。
だから大切なのは、
他社の数字をうのみにせず、
自社の仕事で測ることです。
##
日本の企業は、どのくらいAIを使っているのか
総務省の「令和7年版 情報通信白書」に
企業の生成AI活用方針の調査があります。
「積極的に活用する」
または「利用領域を限定して活用する」
という方針を定めている日本企業は
2024年度調査で49.7%でした。
2023年度調査は42.7%でしたので
1年で増えています。
白書は、米国・ドイツ・中国と比べて
日本は低い水準だと整理しています。
※ これは「方針を定めている割合」です。
実際に効果が出ている割合ではありません。
研究①:問い合わせ対応では、解決件数が平均14%増えた
ある企業のカスタマーサポート担当者
5,179人を対象にした研究です。
(全米経済研究所の論文。のちに経済学の専門誌に2025年掲載)
AIの支援ツールを使えるようになると
1時間あたりに解決できる件数が
平均で14%増えました。
内訳を見ると
経験が浅い人・スキルが低い人は34%増。
経験豊富な人への影響は
小さかったと報告されています。
つまり
「新人の底上げ」には効きやすく
ベテランへの効果は小さいという結果です。
研究②:文章づくりでは、作業時間が約40%短くなった
MIT(マサチューセッツ工科大学)の
研究者による実験です。
マーケター、助成金ライター、
コンサルタント、人事など、
大学卒の専門職453人が、
業務を想定した文章づくりに
取り組みました。
ChatGPTを使ったグループは、
作業時間が約40%短くなり、
第三者の評価による品質も18%高くなりました。
ただし、研究者自身が、
次の限界を述べています。
● 出力の正確さは評価していない
● 課題は、実際の業務そのものではない
● 実務では、事実確認や指示づくりに
時間がかかるため、効果は
実験より小さくなる可能性がある
「下書きは速い。でも確認は人の仕事」
ということです。
研究③:逆の結果も。経験豊富な開発者は19%長くかかった

AIの評価を行う非営利の研究機関
METRが、2025年7月に公表した研究です。
大規模なオープンソースの開発に
長く関わってきた経験豊富な開発者16人が
実際の課題246件に、AIを使う・使わないで取り組みました。
AIを使える課題は、
完了まで19%長くかかりました。
開発者は、事前には
24%速くなると予想していて、終わったあとも
20%速くなったと感じていました。
研究者は、この結果が
ソフトウェア開発に限られ、
2025年初めのツールで、
人数も16人と少ないことから、
「AIは仕事を遅くする」と
一般化はできないと述べています。
その後の追加調査についても、
METR自身が「解釈が難しい」としています。
ここから言えるのは、
体感と実測はズレることがある、
ということです。
公開されている導入事例
ここからは、公式発表・公開記事の数字です。
算出方法の詳細までは確認できていません。
同じ効果が出るとは限らない点にご注意ください。
パナソニック コネクト(大企業の例)
社内AIアシスタント「ConnectAI」について
2026年7月に2025年度の実績が
公式に発表されています。
● 削減時間:78.8万時間
(年間総労働時間の3.4%に相当)
● 利用回数:361万回
● 1回あたりの削減時間:33分
● 月間ユニークユーザー率:61%
岡田研磨(石川県・従業員80人)
中小機構の「J-Net21」に
2025年7月に掲載された事例です。
● AIとの日本語の対話で、
社内の業務アプリ約20種類を内製
● 会社全体の労働時間を月330時間削減
● 紙をA4換算で月5,600枚削減
数字の算出方法は記事に
書かれていませんでした。
一方で、課題も載っています。
紙に慣れたベテランの反発があり、
タブレットが工場で
使われなくなったこともあったそうです。
解決の鍵は「現場を楽にする」こと。
AIとの対話は、通算で約1,000時間
(本人の推定)かかったとのことです。
また、AIを使いこなせる人を、
社内に1人でも持っておくことが
大事だという見解も示されています。
効く場面と、効きにくい場面の整理
ここまでの研究・事例から、
筆者が整理したものです。
(事実ではなく、解釈です)
効きやすいと考えられる場面
① 型のある文章の下書き
(返信文、要約、投稿案など)
② 経験が浅い人の作業の底上げ
③ 案を、たくさん出したいとき
効きにくい・注意が必要な場面
① 事実確認が欠かせない内容
(確認の時間が、かえって増える)
② 経験者が慣れた領域の複雑な作業
③ 現場が使いにくいまま、導入だけした場合
自社で確かめる3ステップ(1週間)

ステップ①:仕事を書き出す(30分)
今週やっている仕事を10個、
紙に書き出します。
それぞれ「1回の時間」と
「週に何回か」も書きます。
ステップ②:1つだけAIで試す
最初は1つで十分です。
たとえば、
問い合わせへの返信の下書き。
投稿案づくり。
お客様の個人情報や、
取引先の名前は入れないでください。
ステップ③:前と後を測る
「AIで作る時間」だけでなく、
「人が確認・修正する時間」まで
含めて測ります。
目安の式です。
(使わなかった時の分数 − 使った時の分数)
× 月の回数 ÷ 60 = 月の削減時間
差がほとんどなければ、
その仕事は、今は
AIに向いていないのかもしれません。
それも、大切な分かり方です。
SNS運用や会社の数字の見直しには向いているのか
SNS投稿の下書きや、
過去の投稿の振り返りは、
型のある文章づくりに近く、
試しやすい場面だと考えられます。
会社の数字の見直しも、
月に1回、決まった形で
振り返るなら、使いやすいでしょう。
ただし、
使えば問い合わせが増える、
とは言い切れません。
まずは3ステップで測ってから、
続けるかを決めるのがおすすめです。
よくある勘違い3つ

勘違い1:導入すれば全員が速くなる
研究では、経験が浅い人に効き、
経験者には小さい、という結果でした。

勘違い2:速くなった気がする=速くなった
体感と実測がズレた研究があります。
まず測りましょう。
勘違い3:大企業の数字が、そのまま自社に当てはまる
会社の規模も、仕事の種類も違います。
数字は「目安」として見てください。
まとめ:今日やることは1つだけ
今日やることは、
1つだけです。
今週やっている仕事を、紙に10個書き出す。
30分が目安です。
測るのは、来週からで大丈夫です。
先行のご案内:AIマーケPC(仮称)を準備しています
ここまでの内容を、
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問い合わせ数・売上などの
効果を保証するものではありません。
先行案内をご希望の方は、
【問い合わせ先URL/フォーム:未記入】
からご連絡ください。
この記事について
● 数字は、2026年10月20日に確認できた
公式ページ・論文の掲載ページに
基づいています。調査ごとに、
対象や方法が異なります。
● この記事の方法は、原因を切り分ける
ための目安です。効果を保証する
ものではありません。
● この記事を書いた人:
WEBサイト制作・SNS運用代行を行って
いる個人事業主です。AIの業務活用は、
学びながら実践しています。
出典
● 総務省「令和7年版 情報通信白書」
● Brynjolfsson, Li, Raymond "Generative AI at Work"(NBER Working Paper 31161)
● MIT経済学部「Study finds ChatGPT boosts worker productivity for some writing tasks」(2023年7月14日)
● METR(2025年7月10日)
● METR(2026年2月24日)
● パナソニック コネクト 公式ニュースリリース(2026年7月29日)
● 中小機構 J-Net21「岡田研磨株式会社」(2025年7月31日)
注記
各サービスの仕様は変更される可能性があります。
公開作業の直前に公式情報を再確認してください。
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ウェブデザイン・カウ
梶原 穣
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